報酬9300万円不正請求、障害者支援の事業所「あすなろ介護サービス」 神戸市が指定取り消し


報酬9300万円不正請求、障害者支援の事業所 神戸市が指定取り消し

神戸新聞NEXT    2015/11/18 19:43 
 
https://www.kobe-np.co.jp/news/shakai/201511/0008577344.shtml 
 



 障害福祉サービスの報酬で架空請求を繰り返したとして、神戸市は18日、「あすなろ介護サービス」(同市東灘区御影本町2)の居宅介護と移動支援のサービス指定を取り消すと発表した。市は過去5年間で約1万9千件、約9300万円の不適正な請求があったと認定。施設側に返還を求め、悪質な不正が認められたとする約276万円分について、管理者(62)を詐欺容疑で近く東灘署に告訴する。



 市によると、施設は2005年に開設。4種類のサービスの指定を受け、居宅介護と移動支援の2種類を46人(今月6日時点)が利用している。



 今年5月、「サービスを提供していないのに報酬を受けている」との通報を受け、市が調査を開始。12年9月~15年5月、知的障害がある利用者への移動支援の実績を水増しし、計647件、約276万円を受領したことが分かった。市の聴取に、管理者は「報酬を多く得たかった」と説明。市は、報酬の請求に必要な確認印を利用者に指示通り押すよう仕向けていたとみる。



 他に、報酬が得られる基準を超えた移動支援を居宅介護に付け替えたり、一人の従業員が同時間帯に別々の利用者に対応したりするなど、10年9月以降、主にこれら2種類のサービスで約1万8千件、約9100万円の不適正な請求記録が確認されたという。



 市の担当者は「請求書類の体裁が整い、不正を見抜けなかった」と釈明。利用者には、指定を取り消す来年1月1日までに代替施設が見つかるよう支援する。(小川 晶)