札幌市白石区 姉妹 遺体発見から1週間 「福祉国家とは呼べない日本」



  
札幌市白石区の知的障害のある妹さんと その姉が亡くなっているのが発見されてから1週間が経ちました。

概要はこちらから


  

このニュースは、もう「ネグレクト」と表現してもいい事件かもしれません。

「ネグレクト」は、児童虐待が多いですが 最近は高齢者虐待も急増しています。

「ネグレクト」は、本来の意味は「無視すること」なんです。

この姉妹は、「無視されてしまった」と言っても過言ではありません。


   

私も父が人工透析で43年間 障害手当だけで細々と暮らしてきましたので

彼女たちの気持ちがわかります。

今も手続きで市役所の福祉課に よく行きますが、カウンターに向かっても誰一人 気付きません。

先ずデスクの向きからしておかしい、来訪者に対して真横を見ているポジション

「すいません」と声を出して 初めて気付きます。10人以上もいて・・・

それから顔も見ずに「窓口、お客さん」とつぶやきます。

(お客じゃないです、市民ですよ!)

それから面倒くさそうに用件を聞き、「さあ?よくわかりませんね」

でも その福祉課の一人に障がい者の青年がいるのです。

彼は何でも知っています。「これは申請すれば戻ります、この用紙にサインして下さい」

がいなかったら ここの福祉課は沈没です。

 


東日本大震災の被災地のかたがたは、仮設住宅で大丈夫でしょうか?

もう既に高齢者の孤独死のニュースを聞いています。



去年の漢字「絆」を思い出しますが、皮肉に聞こえますね・・・

福祉国家とは呼べない日本」








あびちゃんちはぽっかぽか~復刻版

このブログの記事が共感できます。
 
寒い日本列島。あたたかさのかけらもない寒々しい政治





毎日新聞 1月27日(金)11時45分配信 北海道
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20120127-00000072-mailo-hok


探’12:札幌・姉妹2遺体発見、きょう1週間 悔やむ女性相談員、「あと一歩」踏み出せず /北海道



 ◇縦割り行政弊害指摘も

 札幌市白石区の無職、佐野湖未枝(こずえ)さん(42)と知的障害のある妹恵さん(40)の遺体が自宅マンションで発見されてから27日で1週間。湖未枝さんは恵さんが入所できる施設探しに奔走しながら、自らの職も探したが、生活再建の願いは結実しないままの悲劇となった。湖未枝さんは、自立した生活を目指したいとの意思を示し、生活保護には迷いがあったようだ。妹の事情を酌みながら、行政や福祉の担当者はなぜ「あと一歩」踏み出して後押しできなかったのか。関係者の証言から経緯を振り返る。【佐藤心哉、中川紗矢子】


 ■介入できれば…

 「ただ今から着信試験を行います」。昨年12月20日午後9時過ぎ、助けを求め、携帯電話を握り締めた恵さんに聞こえたのは、回線接続試験を告げる録音の女性の声だったはずだ。2人の死後、部屋で見つかった携帯の発信履歴に「111」が残っていた。この番号を押すと流れるのが、恵さんには何の意味もない案内だ。
 電話したかったのは110番か、119番か。この時、料金滞納でガスが止まり、寝室ではフリースとジャンパーを着込んだ湖未枝さんが脳内血腫で既に死亡していたかもしれない。恵さんもやがて凍死した。姉妹の遺体が発見されたのはちょうど1カ月後だった。


 姉妹は滝川市生まれ。親族によると、両親は84年ごろ死去した。湖未枝さんの相談を受けていた札幌市の知的障害者施設の女性相談員によると、湖未枝さんは04年ごろ札幌に転居し、スーパーで働いた。恵さんは滝川に残ったが、07年に入院したのをきっかけに札幌で同居を始めた。今は故人となった伯父を保証人に、白石区で2LDKを借りた。


 姉妹は相談員に紹介され、クリーニングなどを行う障害者施設3カ所を回ったが、恵さんは「頭がフラフラする。もういいです」と拒んだ。09年秋、湖未枝さんは相談員に「頭が痛くて起き上がれない」と電話した。このころ、湖未枝さんは脳神経外科を受診。間もなく勤務先を退職。収入は恵さんの障害年金、月約7万円だけとなった。


 10年6月、区役所の生活相談窓口を訪れ、11年6月には生活保護申請の必要書類を聞いたが、申請しなかった。相談員は数カ月に1回、湖未枝さんの携帯を鳴らした。「今、職探しでバタバタしています」。4月にあわただしく言ったきり、電話に出ず、かかっても来なくなった。


 湖未枝さんは生活改善を目指しながらも、生活保護など支援を受けるのにはためらいを繰り返したようにも見える。相談員は「あと一歩」積極的に相談に乗れなかったことを悔やむ。「連絡が取れなくなり、亡くなる知的障害者は多い。当事者に断られた時、押しかけるような強制力を誰も持っていない。このままでは同じ事態が避けられない」


 ■「横の連携必要」

 行政にも「あと一歩」がなかった。湖未枝さんは区役所を3回訪れたが、区役所側は湖未枝さんに生活保護を積極的に勧めることはなかった。市保護指導課の中村武信課長は「申請の意思を固めた方を帰すことはない。申請すれば、民生委員に連絡するなどの対応ができたので我々も悔しい」と話す。


 これに対し、地域で暮らす障害者支援の先進的取り組みで知られる長崎県雲仙市社会福祉法人「南高愛隣会」の田島良昭理事長は、生活保護だけでなく、特別な事情がある妹のケアも視野に「他の担当課と横の連携を取り、見守り体制を築くべきだった。縦割り行政でなければ防げた悲劇」と指摘する。


 市は、障害者の情報を組織を横断して共有し、連携した対応ができるような改善策を検討しており、週明けにも発表する方針だ。


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 ■札幌市の姉妹孤立死の経緯■


04年ごろ    姉が札幌に転居。妹は滝川市で1人暮らし


07年ごろ    妹が体調を崩し、札幌で姉と同居始める


09年秋     姉が勤務先を退職


10年6月    姉が白石区役所に生活保護の相談


11年6月    姉が3回目の相談。生活保護申請の意向を示すが、その場では申請せず


  11月30日 料金滞納で自宅のガス止まる


  12月15日 滞納家賃を振り込む


  12月20日 携帯電話に「111」発信履歴。このころ、姉が脳内血腫で急死か。その後、妹が凍死


 12年1月20日 2人の遺体発見