相次ぐ悲劇 行政に限界   「福祉国家とは呼べない日本」


札幌市白石区 姉妹 遺体発見から1週間 「福祉国家とは呼べない日本」




60代の夫婦と30代の息子とみられる男女3人の遺体   さいたま市




母病死 知的障害のある息子 衰弱死  2カ月気づかれず 東京





完全に崩壊している日本の福祉・介護


「行政のあり方」にも疑問を感じざるを得ません。


私の父の介護事故で十分身をもって体感しました。


「愛知県東海市介護事故」   疲れ果て、心も体もボロボロになり まともな判断力も失います




  

毎日新聞 2012年2月21日 12時18分

http://mainichi.jp/select/jiken/news/20120221k0000e040144000c.html?inb=yt

さいたま餓死?:相次ぐ悲劇 行政に限界



    
 さいたま市で親子とみられる3人の遺体が見つかった事件。一家で孤立して死亡するケースは東京都や北海道でも相次いだ。現場はいずれも都市部の集合住宅で、近所の住人や管理会社が異変に気付いて発見された。専門家は、料金滞納の情報を業者と行政が共有するなどの仕組み作りが必要だと指摘する。



 さいたま市で親子とみられる3人の遺体が見つかった20日、東京都台東区下谷3の3階建てアパート1階で90歳の父と63歳の娘がそれぞれベッドで死亡しているのが発見された。警視庁下谷署によると病死の可能性があり、父親が先に亡くなったとみられる。2人は父親の年金暮らし。郵便受けには2月7日以降の新聞がたまっており、近所の住人が大家に連絡した。



 一方、札幌市白石区のマンションでは先月、無職の女性(42)と知的障害のある妹(40)が遺体で発見された。姉の死因は脳内血腫、妹は凍死で死後5日~2週間たっていた。2人の収入は妹の障害年金・月約7万円だけだったといい、料金滞納でガスは11月末に止められていた。姉は昨年6月に区役所を訪れ、生活保護の相談をしたが申請せず、職探しもしていたという。



 東京都地域福祉推進課によると、民生委員による見回りは独居の高齢者や障害者などが優先されるという。「自身で支援を求めるのが救済措置の前提。支援を拒まれると介入するのは難しい」と話す。



 貧困や生活保護の問題に詳しい尾藤廣喜弁護士は「韓国などでは公共料金が滞納された場合に行政に知らせるシステムがあり、日本でも行政がシグナルを把握する仕組みが必要だ」と訴える。北海道も同様の仕組み作りの検討を始めた。尾藤弁護士は北九州市で07年、独居男性が生活保護の打ち切り後に孤独死した事例に触れ「当時、地域住民が異変に気づき福祉事務所に訴えたが保護は打ち切られたままだった。住民同士の監視だけでは解決できず、地域ネットワークの問題として矮小(わいしょう)化すべきではない」と指摘する。【喜浦遊、田中龍士、中川聡子】