有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」 3人転落死事故


川崎 老人ホーム「3人転落死は事故」 NHKニュース



9月6日 11時54分

 

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150906/k10010218081000.html







川崎市の老人ホームで去年、2か月の間に80代から90代の入所者3人が相次いでベランダから転落して死亡していた問題で、施設の関係者は3人の転落死は事故だったという認識を示したうえで、再発防止に力を入れたいという考えを明らかにしました。


この問題は川崎市幸区にある有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」で去年11月から12月にかけての2か月間に80代から90代の男女合わせて3人の入所者が相次いで施設のベランダから転落して死亡したものです。


施設によりますとこの老人ホームは鉄筋6階建てで80部屋あり、3人はいずれも4階から6階にある個室で暮らしていましたが、それぞれ午前1時半ごろから4時ごろまでの未明の時間帯に転落したということです。



ベランダには高さおよそ1メートル20センチの手すりが設置してあり、遺書などは見つかっていないということです。


施設を運営する会社の中坪良太郎本部長は取材に対して、3人の転落死は事故だったという認識を示したうえで、再発防止策として「入所者一人一人の疾患や障害、心の状態などに合わせて対策を講じていきたい」と述べました。


この問題を巡っては川崎市が施設に対し原因の究明や再発防止を求める指導を行う一方、警察も詳しい経緯を調べています。



アミーユ川崎幸町とは


「Sアミーユ川崎幸町」は職員が24時間常駐し、介護サービスを提供する「介護付有料老人ホーム」で、東京に本社がある運営会社が平成23年11月に開設しました。


施設の建物は鉄筋6階建てで個室が80部屋あり、障害や認知症などで介護が必要なお年寄りおよそ70人が入所しています。


職員の数はおよそ30人で、午後8時から翌朝7時の時間帯は3人の職員が施設の見回りや入所者の介助を行っているということです。


厚生労働省が調査求める


川崎市の老人ホームで、2か月の間に80代から90代の入所者3人が相次いで転落して死亡した問題で、厚生労働省川崎市から施設の介護体制や建物の構造などについて詳しく事情を聞くとともに、原因を調べるよう求めることにしています。












3人転落死の施設 別の入所者に虐待 家族が撮影   NHKニュース 

9月9日 12時06分

http://www3.nhk.or.jp/news/html/20150909/k10010221831000.html



80代と90代の入所者3人が相次いで転落して死亡した、川崎市の老人ホームで、男性職員が、現在も入所している85歳の女性の頭をたたいたりベッドに放り投げたりしている様子を、家族が撮影していたことが分かり、女性の家族はNHKの取材に対して、警察に告訴する考えを明らかにしました。


川崎市幸区にある有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」では、去年11月と12月の2か月間に86歳から96歳の3人の入所者がベランダから相次いで転落して死亡し、川崎市が近く担当者から聞き取り調査を行うことにしているほか、警察も詳しい状況を調べています。


この施設を巡っては、ほかにも、男性職員4人がことし6月に、現在も入所している85歳の女性の頭をたたくなどしたとして、川崎市が改善を求める指導を行っています。


女性の長男は、「暴力をふるわれた」と母親からの訴えを聞いて、部屋にカメラを設置し、職員の対応を撮影して、川崎市に通報したということです。映像では、男性職員が女性の頭をたたく様子や、座り込んだ女性を抱え上げてベッドに放り投げたりしている様子が映っています。女性は「要介護3」で、自力で歩くことが難しいということです。


長男はNHKの取材に対して、「施設側は、撮影するまで、母親や自分たちの訴えに取り合わなかった」と話し、今後、警察に告訴する考えを明らかにしました。



撮影された映像は


ことし6月11日の正午ごろに撮影された映像では、女性が大きな声を出した直後に、男性職員が頭をたたく様子が映っています。女性は頭を押さえて「痛い」とか「家族に言うから」などと訴えていますが、職員は無言で食事の用意を続けています。


6月21日の映像では、同じ男性職員が、ベッドに移動する手前で床に座り込んだ女性の体を両腕で抱え上げ、そのままベッドに放り投げるような様子が映っています。ふとんを掛けられた女性は「どうしたらいいの、苦しい」などと訴えています。


また、別の男性職員は、女性の介助をしながら、「ババア汚ねえなあ」、「うるせえ黙れ」などとつぶやいています。


さらに、別の日には、ほかの2人の男性職員が、ベッドの脇にあって入所者が緊急時に職員を呼ぶためのボタンを取り外そうとしたり、「押すと爆発する」とうそを言ったりする様子が映っています。
運営会社「改善の取り組み進める」


これについて、有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」の運営会社「積和サポートシステム」は、NHKの取材に対して、「今回起きた虐待は、介護業界において許されることではなく、女性や家族には本当に申し訳なく思っていて、繰り返し謝罪したいです。また、ほかの入所者や家族に不安を与えていることも、誠に申し訳なく思っています。行政の指導に基づき、改善の取り組みを進めていきます」と話しています。











川崎・老人ホーム3人転落死:「不自然」 県警が施設職員ら聴取

毎日新聞 

2015年09月08日 東京朝刊

    


http://mainichi.jp/shimen/news/20150908ddm041040093000c.html
 






 川崎市幸区の有料老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」(積和サポートシステム運営)で昨年11月から12月にかけて3人の入所者が相次いでベランダから転落死したことが明らかになり、市が7日記者会見を開いた。高齢者事業推進課の関川真一課長は「ベランダからの転落死という珍しいケースが3件も続き、非常に不自然と考えている」と述べ、ホームに対し神奈川県警の捜査への協力を求めた。



 市や運営会社によると、昨年11月4日に男性(87)、12月9日に女性(86)が、ともに4階の自室のベランダから転落死した。12月31日にも女性(96)が自室のある6階の別室のベランダから転落死した。ベランダには高さ120センチの柵が設置してあった。3人は要介護度が2と3の認知症で、それぞれの転落後に現場検証した県警から問い合わせがなかったことを受け、市と運営会社は事故と位置付けていたという。



 入所者3人が死亡した日には、いずれも20代の男性職員が宿直勤務に含まれており、県警は男性職員らから事情を聴いている。この男性職員は今年5月、不祥事で懲戒免職になった。このころ4人の職員が入所者の女性(85)に暴言や暴行を加えたとして市が改善を求める指導を行っている。【水戸健一】