今月書いた【「認知症で電車事故」あれから 愛知県大府市】 で取り上げたばかりだけど 認知症高齢者のかたが電車事故で亡くなられた。
手押し車を押して踏切を横断中に立ち往生した高齢者を助けようとした男性(64)も頭を強く打って意識不明の重体。
勇気ある行動に頭が下がる思いであり、大事に至らないことを祈るばかりです。
手押し車の80歳男性はねられ死亡、助けようとした64歳男性は重体 名鉄犬山線の踏切
2024年2月23日 01時12分 (2月23日 22時58分更新)
県警江南署は、手押し車を押して踏切を横断中に立ち往生した山口さんを、居合わせた馬場さんが助けようとして巻き込まれたとみて調べている。山口さんの家族によると、山口さんは認知症で足が悪く、デイサービスに通ったり、手押し車を押して近所を散歩したりして暮らしていた。普段は自宅から500メートルほどの現場の踏切を通ることはなかったが、かつて勤め先に行く際に使っていた道だという。交通安全白書によると、踏切で列車か車が歩行者らと衝突した踏切事故は、2012年の305件から22年は190件に減少。保安設備の整備が進み、減少傾向にあるが、認知症の疑いのある人が、踏切で列車にはねられる事故は依然として発生している。
事故の詳しい経過が、まだよくわからない状況なので 何とも言えませんが、次の表現が気になった。
山口さんの家族によると、山口さんは認知症で足が悪く、デイサービスに通ったり、手押し車を押して近所を散歩したりして暮らしていた。
普段は自宅から500メートルほどの現場の踏切を通ることはなかったが、かつて勤め先に行く際に使っていた道だという。
この表現を読んで、冒頭に書いた愛知県大府市の電車事故での家族の言葉を思い出す。
認知症の人が出歩くことには、目的があると思ってきた。
父がひとりで出歩いた先に、かつて勤めていた農協や、生家の跡地があったからだ。事故が起きた日も父はトイレを探しあぐね、線路に下りたようだった。
認知症のお年寄りが外出する様子を「徘徊(はいかい)」という言葉で表現することに対し、
高井さんは「目的もなく歩いているわけではないので、認知症の場合は徘徊という言葉を使うのは避けてほしい」と指摘した。
電車事故のあった愛知県大府市(福祉部 高齢障がい支援課)では、次のように定義しています。
大府市では「徘徊(はいかい)」という言葉を使用しません
近年、認知症の方が一人で外出し道に迷うことなどを「徘徊」と表現することを改める動きが全国的に広がっており、本市でも行政文書や事業名等に用いる表現の見直しを進めてきました。
平成29年12月に制定しました「大府市認知症に対する不安のないまちづくり推進条例」を機に、行政内部では「徘徊」という表現を使用しないことといたしました。
今後は行政内部だけではなく、市民や関係機関の皆さまにも見直しを呼び掛け、認知症に対する正しい理解のさらなる普及を進めてまいります。
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同じ踏切で過去にも死亡事故…手押し車の男性と救助の男性が電車にはねられ死傷 愛知・岩倉市
2024年2月23日 16:36山口さんが手押し車を押して踏切内に入ったところ、渡りきる前に遮断機が下り、踏切内に取り残されました。
現場に居合わせた自営業の男性が、車から降りて助けに入りましたが間に合わず、2人ともはねられたとみられています。
事故直後に現場に駆けつけた女性によりますと当時、踏切周辺には事故を直接目撃した人もいましたが、非常ボタンが押されたのは、事故の後だったということです。